「突然クライアントが来なくなる」事態を未然に防ぐ方法

 ■リピート率アップ法
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初回、2回目、3回目と順調にカウンセリングが進んでいる時に、突然クライアントが来なくなることがあります。

 

「カウンセリングは、クライアントが受けたい時にいつでも自由に受けるのがいい」という考え方があります。言い換えれば、去っていくのは自由だということです。考え方はカウンセラーによってそれぞれあっていいと思います。

 

しかし、この事態をどう捉えるかで、リピート率は大きく変わってきます。リピート率が変わると、売上に大きく関わってくるので、開業カウンセラーにとっては大変重要な事態なのです。

 

笑顔でクライアントは帰っていったはずなのに・・・

次の予約をして支払いまで済ませていたのに・・・

「なぜ?」

 

私自身、かつて突然クライアントがいなくなる事態を経験しました。疑問がよぎるけれど、次のクライアントさんに心を切り替えて、そのことについては、深く考えないようにしていたのです。

 

後々、この疑問は解けることになったのですが、それと同時に大幅にリピート率が向上したのです。どうやって疑問が解けたのか、そして、どのような対策を講じたのか。

 

ある時、3回目のカウンセリングを終えたクライアントが次回の予約をして、次回の支払いも済ませて笑顔で帰られたことがありました。2日後にその人からメールが届きました。

 

「1回目、2回目とカウンセリング後、とても癒されました。でも今回は落ち込みがひどいので、やっぱりカウンセリングがよくないんだと思いました」

続けて、「カウンセラーなのに、引っ込み思案だと言うのはひどい」「キャンセルします」
内容はかなり省略していますが、このような流れでした。

 

良識あるカウンセラーであれば「あなたは引っ込み思案だ!」と言うはずはなく、クライアントさんが「私は引っ込み思案でして・・・」と言ったのを「引っ込み思案だと感じているのですね。どのような出来事からそう思われたのですか?」という伝え返し、質問をすると思います。

 

ただ、一度カウンセラーに不信感を持つと、単語や言葉尻をとって、怒りを表してくることがあります。メールであっても、カウンセラーに対して怒りを表してくれたことで、突然来なくなるケースと理由を身をもって体験することができたのです。

 

私の未熟さからくる誤解を与えてしまったことの謝罪と怒りを表してくれたことへの感謝を伝えました。

今回のケースでは、すでに結論を出されていたので、残念ながらこのクライアントは二度と来ることはありませんでした。

 

我々カウンセラーにとって最も怖いのは、クライアントが何も言わずに去っていくことです。大いに反省した私は、初回のカウンセリング時に次のようなことを伝えるようになりました。

 

カウンセリングが進んでいくと、突如カウンセラーへの不満や不信感、怒りが出てくることがあること。

そして、それを我慢せずぶつけてほしいこと。ぶつけてきても、カウンセラーが怒ったり、嫌ったりすることは決してないこと。ぶつかり合いによって人間関係が深まってくること。それをカウンセリング内で練習していきたいこと。

 

今後カウンセリングの現場で起こるであろう事態を事前に説明しておくことで、突然クライアントが来なくなるという事態を大幅に防げるようになったのです。

 

特に、白黒ハッキリさせないと気が済まないタイプやいい子でいようとするタイプには
初回だけでなく何度もお伝えしていく必要があります。

 

こういった事前説明をしている最中にも、クライアントが大いに頷き、「今までの人間関係がそうでした!」「そう言ってもらえて、気が楽になりました」等、細心の注意が必要なクライアントのタイプが判明するとともに何に重点を置くかといった今後のカウンセリングの方針も立てられるわけです。

 

こういった説明は時間にしたら短くてちょっとしたことですが、説明があるかないかでは、大幅にリピート率や売上が変わってくるのです。

 

何といってもクライアント自身においても、怒りをぶつけずに去っていくことは、人間関係を構築していく練習の機会が失われたということです。クライアントのためにも、「なぜ、去っていったのか」「どうしたら、カウンセリングが上手くいくのか」を検討し、改善していくことが大切です。

 

あなたは、「なぜクライアントが来なくなったか」をしっかり検討し、対策を施していますか?

 

 

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