カウンセラー開業で失敗を避けるための法則

 ■売上が伸びない原因

15%。

いったい何の数字でしょうか?

 

これは、会社を興して5年後に15%の企業が生き残っているということを表しています。

 

国税庁が「中小企業が設立から倒産するまでの期間」を調査したデータがあります。

 ビジネスを立ち上げて、1年後には40%生き残る。60%は失敗。

5年後には15%が生き残る。10年後には6%が生き残る。このような数字が出ています。

10年後は、100人いたら94人は廃業しているということになります。

 

これは、法人組織の調査ですので、カウンセラーのような個人起業家のデータではありません。

そして、カウンセラーの場合、副業で細々と10年以上やっているという人や、ご主人が安定した職についていて、奥さんがカウンセラーとして長年経験を積んでいるというケースがあります。これらは、事業としては成功しているとは言えませんので、ここでは失敗の方に入れておきましょう。

そう考えると、おそらく似たような数字になると思われます。

 

テレビに出ている芸能人も同じです。

一時期売れていても、いつの間にか消えていることがよくあります。

次から次へと新しいタレントや芸人がテレビに登場しています。それと同じ数だけ、人知れず消えていく人がいるわけです。今までテレビに出ていたタレントが、ある日突然消えてしまっても、案外気づかないものです。テレビ業界は10年経ったら、ほとんどの人が入れ替わっているということです。

 

起業した場合、10年後には100人のうち94人が廃業という厳しい現実を見てきました。この数字だけを見ると、これから開業しようとしている人は気持ちが萎えてしまうかもしれません。

 

しかし、失敗する人には、あるパターンがあるのです。

 

上手くいかなかった起業家がどのような形で失敗してしまったのか、そのパターンをあらかじめ知っていることで生存率を高めることが可能になります。

 

失敗パターンの一つ目は、資金が尽きてしまうことです。

 

会社組織だと、従業員に給料が払えなくなった。仕入れの支払いができなくなる。税金を納めることができなくなる。借り入れの返済ができない。

このように資金繰りが回らなくなってきます。生き残れない企業のほとんどは、資金が回らなくなることが原因なのです。

 

開業カウンセラーは、基本的に従業員は抱えていないことが多いです。借り入れもあまりないでしょう。ですので、非常にシンプルです。

家賃、生活費といった出費をいかに抑えるかが最大のポイントになります。要は生活が成り立たないくらい資金不足に陥ったとき、起業生活は終わりを告げるということです。

資金が尽きるのをできるだけ長引かせる策をとるというのが、個人起業家にとって怠ってはいけないやるべきことになります。

 

家賃が低い住まいに引っ越す。保険を見直す。スマートフォンやネット通信といった通信費を下げる。車を変える、または手放す。外食を減らす。

 

この辺りは、今売れている起業家に、起業当時どんなふうに出費を減らしていたか、質問してみてください。皆さん、驚くほど大胆に節約して、極力出費を抑える工夫されています。

 

そして、売上を上げるために絶対に投入すべき資金は計画的につぎ込んでいきます。

ここは決して間違えてはいけません。

 

開業当初は、手持ちの資金が尽きる前に、なんとしても集客の仕組みを作り、売上を作っていく覚悟を決めて、他のことには目もくれず仕事に専念するのです。今売れている人は、成功する確率を最大限に高める工夫をしているのです。

 

「できるだけ生活は切り詰めています。でも上手くいかないんです」という方がおられますが、しかるべきところに投資をしていないので、上手くいきようがないのです。

 

あっという間に失敗してしまう人は、絶対に投資しなければいけないところに投資を惜しみ、控えなくてはいけない出費は控えていない、ということが言えるのです。

 

この辺りのことは、起業家の生命線ですので絶対に抑えておかなくてはいけません。

 

もう一つ失敗するパターンとしては、起業家のビジネス知識とスキル不足によるものです。

失敗するパターンの一つ目も二つ目も、自分自身の今日とこれからの心がけと行動次第ということです。

自らの心がけと行動で成功確率をグッと高めることができるので、今からでもしっかりビジネスの知識を得て、ビジネススキルを上げていくことが大切です。

 

売れている起業家は、ビジネスの知識とスキルを持ちながら、資金が尽きないように相当の工夫をしているのです。

不安を抱えながらも毎日必死で行動して、手持ちの資金がなくなる前に売り上げを上げていくことで、ようやくビジネスが軌道に乗っていくのです。

 

逆に失敗した起業家は、ビジネススキルが不足していて、さらに手持ちの資金を減らす努力をしていない人が多いということです。

残酷なことかもしれませんが、当然、失敗する確率は高くなってしまうわけです。

こういったことは、耳が痛くなる話かもしれません。ですが、起業する人には絶対に知っておいてほしい内容なのです。

そして、これは私自身が20代の時に起業にチャレンジして、失敗した理由も、まさにこの2つの失敗パターンに見事に当てはまっているのです。

 

失敗する要因は、ハッキリしています。ですので、あらかじめ失敗パターンを知って、成功確率を最大限高めていくこと行動をしていってほしいところです。

売れている起業家が起業当時、どんなに泥臭いことをしていたかは、どんなことを節約して、どんなところに資金を投入していたか、実際に細かく具体的に質問して、実践してみることをお薦めします。