想定外のお客様を切り捨てる?切り捨てない?

 ■独自の強み発見法

 

「うつ専門カウンセラーなのですが、うつとは全く関係のない予約が入りました。どうすればいいでしょうか?」

 

このようなご質問をいただきました。

 

自身が決めたコンセプトとは違うお客様が来られたときに、どのように受け止めて対応したらいいのか、というご相談です。

 

自分では扱いきれない症例であれば、お断りしたり、他を紹介したりするといいでしょう。

専門性から外れているけど、扱えないこともないというケースであれば、私なら予約をお受けします。

 

 

理由は3つあります。

 

1つは、自分の経験になるということ。

2つ目は、目の前の売上を逃さないということ。

そして、3つ目が重要です。長期的に事業を繁栄させるために必要なことです。

 

3つ目は、「磨けば宝になる可能性がある」ということ。

 

カウンセラーとして開始した当初、うつ専門のカウンセラーをして活動していた時期がありました。

その時に、育児中のお母さんが私のカウンセリングにやってきたのです。特に憂うつ傾向があったわけではありません。イライラを幼い子供にぶつけてしまうのをやめたいというご相談でした。

 

うつ病をコンセプトにしていたので、怒りを抑えたいというお母さんのご相談は、私にとって想定外だったわけです。先ほどお伝えした、自分の経験になることと売り上げにつながるという短期的な目的で、お引き受けしたのです。

カウンセリング自体は、非常にスムーズに進み、改善が見られたことで私にとって自信になりました。

気を良くした私は、すぐにWEBサイトに怒りを子供にぶつけてしまう問題を解決できるという記事を掲載し、広告も打ちました。

すると、同じような悩みを抱えた育児中のお母さんがやってくるようになったのです。

 

今までは、うつの悩みを扱えるという強みだけだったのが、育児中のお母さんも扱えるようになったのです。

 

その後は、私にとって例外扱いしていた症例を意識的に取り入れるようにしていきました。不登校、不眠症、パニック症、不安症と、扱える範囲が広がっていきました。

うつ専門と謳っているにも関わらず、かなり広範囲の症例に対して自信をもってカウンセリングに臨めるようになってきたのです。

 

ここで2通りの道があります。

うつ専門として強みを尖らせていくのか、それとも強みを広げて括り直すのか。

 

これは、どちらが正解というのではありません。自分のビジョンやミッションによって方向性は変わってくると思います。

 

強みを尖らすという縦方向に自分を伸ばすことも大事ですが、強みのすそ野を円状のように横に広げていくことも大事だと考えていました。

 

その時の私は、後者の強みを大きく広げて括り直しことに決めていました。

強みを複数にして、すそ野を広げる方が、カウンセラーとしてより深みが出てくると思っていたのです。

横方向に広げるメリットとして、市場が大きくなります。要はお客様がたくさんいるということです。

狭い市場で強みを尖らせていても、どこかで尻すぼみになってしまう可能性がありますから、永く事業を反映させるためには、必要なことなのです。

 

強みを尖らせる縦方向と、すそ野を広げる横方向、両方大事だと思います。そして、今自分はどっちを優先しているのか、安定した売り上げを10年以上続けるためには、しっかり意識しておくことが大切なのです。