開業できない理由よりできる理由を探す

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「ヤバタさん、私の自宅では到底カウンセリングする場所がないです。やる気はあるけど最初からお金をあまりかけられないのですが・・・」

このようなことで開業を躊躇している方がいました。

 

またある方は、このように言います。
「起業経験がないので、どうしたらいいかわからないです」
「田舎に住んでいるので、クライアントがそもそもいません」
「毎日忙しくて時間がないので、開業できません」
「お金がないので、起業するのは難しいですよね」

 

今まで開業希望の方にお会いしたり、メールでやりとりしたりしてきましたが、「この人は開業したくないのだろうか」と勘繰りたくなるほど、開業できない理由が次から次へと飛び出す人がいます。

 

こういった開業しない言い訳を続けていると、自分では気づかないうちに自己説得が巧妙になってきて、いつまでたっても身動きできなくなるのです。

 

「できない」側から物事を見ていては何も事態は動きません。

「できる」側に意識の光を当てていくことが肝心です。

 

私の過去の経験ですが、ご多分に漏れず開業する前には不安がかなりありました。
「店舗を借りる資金がない」
「自宅の一室を店舗にしたいが、築30年以上で外壁がひび割れている」
「街中でもないのにお客さんが来てくれるだろうか」

 

私が開業した当初、友人が次のように言いました。
「こんなボロボロの家にお客さんが来てくれるかな?」
「住宅街なので店舗だと誰も気づかないかもしれないよ」
「家族と同じ玄関を使うのはお客さんは気を遣うと思うよ」

 

1年後、クライアントの予約がいっぱいになっているのを目の当たりにした友人は言いました。
「立地がよかったんじゃないか」
「一軒家だから、落ち着けるんじゃないかな」

 

もし、クライアントが全然集まっていない状態であれば、友人は1年前と同じことを言ったでしょう。しかし、繁盛している店舗状況を見て、あっさり意見を覆したのです。

 

開業するにあたって友人や家族に相談すると、親切心から「できない」理由をいろいろ教えてくれるはずです。

この時、他者の意見を鵜呑みにしてはいけません。「やっぱり開業は難しいんだな」と自分自身の心配をさらに拡大させることになります。

 

一見デメリットに思えるような状況でもその陰に隠れているメリットを探り当てることは可能です。

実際、私のところでは、クライアントから次のように言われていました。
「アットホームな雰囲気で癒されます」
「外観は(古くて)驚いたけど、部屋に入って安心しました」

セッションする部屋は、それほどコストをかけずに布を壁側に貼って、照明を工夫することで、落ち着いた雰囲気を作り出していました。

 

すでにあなたが持っている資源をいろいろな角度から眺めて、それをフル活用してみてください。起業家の多くは当初、お金がない、時間がない、経験がない状況からスタートするものです。潤沢にお金がある、時間がある、経験も十分である、という人などほどんといません。

 

何も持ち合わせていない状態から誰も通ったことのない未知なる未来を切り開いていく開拓心が起業家には必要なのです。

 

これは、起業だけに限ったことではありません。カウンセリングの現場でも同様なことが度々起こっているはずです。

「今までできていたことができない」

「他の人たちはできているのに自分はできない」

人は皆「できない」から悩みが始まります。

 

カウンセラーは「できる」に目を向けるように仕向けていきます。「できる所までいったん戻る」「行動をできそうと思えるまで細分化する」ことをします。

 

クライアントを適切に導くためには、開業カウンセラー自身が「できる」理由を見つけて実践している状態であることが当然のことだと言えるでしょう。

あなたは「できる」ことに意識を集めて、着実に実践する習慣が身についていますか?

 

 

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