開業直前に襲ってくる不安の乗り越え方
「いろんな不安があるんですけど・・・」
開業準備をしている方から、セミナー終わりの雑談中にご質問をいただきました。
他の参加者も一様にうなずいていたので、少しお時間をとってお話しさせていただきました。
私独自の経験や私自身が色々な方から学んだ話です。
不安は見て見ぬふりをしておくと、いたずらに大きくなってしまう可能性があります。
放置しておいても、不安感を乗り越えられるときもありますが、根本的には解決していません。
いずれ大きな不安感が襲ってきて、そのせいで身動き取れなくなってくるのです。
これって実はとても怖いことなのです。知らず知らずのうちに不安が行動できなくさせている。でも本人は気づかない。この重要性に気づいてほしいのです。
「行動すれば、成功することは自分でもわかっているんです」
「やらなきゃいけないことがあるのはわかっているけど、なぜか行動できないんです」
このような状態になっているときは、「ひょっとしたら放置していた不安があったのかも」と疑ってみること大切です。
1つの不安は、些細なことだったりします。でも、複数集まれば、かなりのダメージを与えるようになるのです。
では、身動きできなくなるような不安をためないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、《あらかじめ、不安が的中したときの最悪ストーリーを想定して、その対処法を書き出しておく》ことです。
これをやっておくと、不安感は自分でもハッキリ自覚できるほど減ってきます。
そうすると、スムーズに行動が起こせるようになるのです。
「いいアイデアを思い付いた!ようし、頑張るぞ!」とワクワクしたものの、いざ実行する段階になると、臆病になって行動ができなくなる。10年以上前の私は、典型的にこのタイプでした。
その後、全く行動できない状態からは少しマシになって、一歩行動ができるようになりました。でも、困難が目の前に立ちはだかると、とたんに「これからどうなるんだろう?」と不安にかられてしまい、適切な行動ができずに挫折していました。
いずれにしても、不安感にいつも負けていたわけです。
そんな私がどうやって不安感に負けなくなって、困難が立ちはだかっても粘り強く行動を継続できるようになったのか?
それが、先ほどお伝えした《最悪ストーリーを想定して、対処法を書き出す》こと。
それともう一つあります。
それは《カウンセリングを学んだから》です。
このコラムの読者は、ほとんどがカウンセラーさんなので、拍子抜けしたかもしれません。
ですが、カウンセリングの技術は、改めて考えるまでもなく、日常生活で活用できるものばかりです。
そして、カウンセリングの技術は開業するときにも、存分に活用できるスキルでもあります。
開業前もそうですが、開業後、行動しているのに成果が出てこないときに、不安に襲われることもあるでしょう。そのときに、不安という感情をどのように受け止めるか。これはカウンセリングを学んでおいて、よかったと心底思うことです。
不安が教えてくれるメッセージは、「このまま何もしないでいるとマズイことが起こる」というものです。
もちろん、放っておいても大丈夫な不安もあります。
しかし、特に起業時においては、放っておかない方がいい不安が多いです。
そして不安は、行動力を掻き立てるキッカケとして積極的に活用していきたいところです。
最悪ストーリーを思いつく限り書き出して、最悪な出来事が起こったときにどのように対処するかを書き出しておくことで、不安感は減ります。一方で行動力は増します。
そして、実際にその不安が的中したときには、あらかじめ検討しておいた行動をするので、経験が積めます。起業家としてレベルアップが図れるわけです。
ぜひ、小さな不安を放っておかずに、適切な対処をして乗り越えていきましょう。