カウンセラーとしての起業センスがある人、ない人

 「この人嫌い」「この人好き」

いったん嫌いになると、とことん嫌いになる。

逆にいったん好きになると、とことん好きになる。

 

その人の1面を見て、人や物事を判断する人がいます。直感型と呼ぶか、拡大解釈型と呼ぶか、迷うところですが、こういったタイプで成功する起業家もいるので、それは一向に構いません。

 

でも、カウンセラーという立場としては良くありません。直感や拡大解釈で生きづらさを感じているクライアントを導く立場ですからね。

「カウンセリングでは、ちゃんと冷静に判断していますよ」と反論する人もいるのですが、やはり日ごろから意識していないと、いざというときに普段の習慣が無意識のうちに出てしまうものです。

 

先日、体験セッションの際にお会いした方から、「私、直感タイプなので、思い込んだら、それしか見えなくなるんです・・・」というご相談がありました。

このように本人が直感型だと自覚している人もいます。しっかりと自覚して改善しようとしている人は、軌道修正が可能になるので、それほど問題ではありません。 

 

大切なことは、「自分の感覚は果たして適切なのだろうか」と疑えているか。それと、カウンセリングの現場以外の日常生活で、いかに気づけるか。気づこうとしているか、ということです。

 

気づいて、そして、もう一歩考えを深堀すること。多面的に人や物事を見ていくことが起業センスを磨く上で大切になります。

 

例えば、私がメルマガでセミナーの案内をしたとき、一気にメルマガの解除が増えます。

これは、私だけでなく他のコンサルやコーチ、カウンセラーでもセールスをした後は、解除数が一気に増えるのです。

 

「売り込みが嫌い」「売り込んでくる人が嫌い」と自動的に反応して、解除する人が一定数いるのです。

もちろん、メルマガの内容を吟味した上で、解除の判断をしているのなら大丈夫です。

 

気をつけたいのは、普段のメルマガの内容は気に入っていたのに、セールスの要素があると、急に嫌なメルマガになってしまう。印象がガラッと変わってしまうケースです。

ちょっと気分を害した時に、一気に全てが嫌になってしまうタイプの人は要注意です。そこで思考はストップしてしまい、何一つ進歩がありません。

 

話をしていても「あの人はここがダメだ」「この人はたいしたことがない」とダメ出しや愚痴、不満を会うたびに言ってくる人がいます。

 

これも物事の1面しか見ていないことになります。「自分の感覚は適切ではないかもしれない」と疑い、もう一歩考えを深堀する必要があります。

 

カウンセラーとして起業するということは、自分も「セールス」をする立場になるわけです。

立場を入れ替えて、起業する側に立てば、意味合いが全く違ってくるのです。

「売り込まれて嫌な感じがした」と不快な思いをしていたのが、「どういうふうにセールスを仕掛けていくのか」という学びの宝庫になるのです。

 

あるいは、反面教師にしてもいいのです。メルマガのこの部分が不快に感じたので、自分がセールスするときには気をつけよう、と考えればいいのです。

 

起業センスがある人は、「自分の感覚なんかたいしたことはない」と思っている部分があります。もちろん、適切な自信も備わっているのですが、一方では、自分をしっかり疑えるのです。このバランス感覚がとても大切だと思います。

「自分の感覚は、たいしたことない」と思っているから、どんな人からも、どんな出来事からも学び取る姿勢があるのです。出会う人、出くわす出来事すべてがありがたい存在ということです。

 

もちろん、嫌な出来事に遭遇したら、その場では不快な思いを経験するかもしれません。でもそこから一歩深堀することで、全ての事象から学び、感謝することができるのです。

もう一歩深堀してみようと思えるかどうかが、起業センスを磨けるかどうかの差になるのです。