成功カウンセラーになるための《不完全のすすめ》
「行動すれば上手くいくと思うのですが、でもなかなか行動できないんです」
こういったご質問をいただきました。
カウンセリングスキルについても、集客の仕組みづくりについても、非常に勉強熱心な方です。マーケティングや戦略についての話題で盛り上がることもしばしば。
知識は豊富だけど、成果につながる行動ができていない・・・。このような悩みです。
この方の特長は、「完璧に物事を進めていきたい」という思いが強いようです。ご自身もハッキリ自覚していました。
完璧にしようという思いがどこかにあると、一つ一つの課題に時間がかかりすぎて、集客の仕組みづくりがなかなか進まない状態に陥ります。例えば、プロフィール作りで、かなりの時間を費やし、予約フォームが何週間たっても作れない。このような状態です。
かつての私も、割と完璧主義のところがありました。集客の仕組みを作ってしまえば何かしらの成果が出るのはわかっているけど、同じ作業ばかりに時間を費やしてしまい、次の作業に移れないということがありました。焦りだけが体中を駆け巡っているばかりで、実際にはほとんど進んでいないのです。
「この1ヶ月何なにやってたんだ~」と落ち込むばかりです。
ところが、あることに気づいたとたん、ようやく私は目が覚めました。「あっ、そういうことか。これでよかったんだ。とにかく早くやってしまおう」という心構えに変わったのです。
完璧主義を手放して、《スピード重視の成果主義》に切り替わった視点とは?
それは、「ビジネスは、らせん階段」と同じだ、ということです。
かつての私は、直線をイメージしていました。左側にスタートラインがあり、右端にゴールを設定します。ゴールに到達する頃には、十分な売り上げが上がっている状態になっていなければいけない、と思っていました。
そうなると、ゴールに近づくにつれて、もうかなり売れていなければいけないということになります。すると、無意識化ではゴールに到達するのが怖いという感覚を持つようになります。怖さがあることで、なるべくゴールに到達するのを遅らせるかのように、「一つ一つの課題を完璧に仕上げないといけない」という思いが強まってしまうのです。
これは非常に怖いことです。意識上では「早く売れたい」と思っているのにもかかわらず、無意識化では「ゴールに近づくのが怖い」と、強烈な反発をもらっているからです。
この状態から脱出した気づきが、「らせん階段」でした。
らせん階段を真上から見ると、一つの円に見えますよね。でも真横から見ると、上に進んでいくのがわかります。
先ほどの直線であれば、左がスタートで右がゴールでしたが、らせん階段を上から見ると、始まりがスタートで、同じところに戻ってくるとゴールになります。
これは、集客の仕組みを一通り作ったということを意味します。でも、らせん階段はここで終わりではありません。らせん階段ですから、そこから2周目の円を描いていけるのです。
1周目の円を描く段階では、それほど売り上げが上がらなくても一向に構わないということです。 とりあえず不完全な状態で一向に構わないので、スピード重視で一通りの集客の仕組みを作ってしまうということです。とりあえず、らせん階段を1周するということです。
テニスでも同じですね。上達が早い人は、フォアハンド、バックハンド、ボレー、サーブと一通り下手でもいいので、とりあえず打てるようになると試合形式を楽しんでみます。この時点では当然下手です。でも下手で構わないのです。
ビジネスでいうところの集客の一連の仕組みができた状態ですね。1回でも試合をすることで、今まで気づかなかったことが見えてくるのです。
反対に、完璧主義の傾向がある人は、「まだ自分には試合は早いです」と言ってしまうのです。
ビジネスも全く同じです。一通り集客の流れを作って、カウンセリングの予約まで体験してみると、今までは気づけなかった改善ポイントが見つかります。全く予想していなかったことをクライアントから言われることがあります。想像もしていなかったことをクライアントが望んでいることがわかってきます。そうすると、サービス内容の大幅な改善に役立てられるのです。
そして、らせん階段の2周目が始まります。1周目でとりあえず課題をこなしたものを、さらにブラッシュアップしていくわけです。
完璧主義の人が1周目の半分くらいまで来ている時点で、あっという間に売れていく人は、すでに2、3周くらいしているのです。周回を重ねるごとに、重要な課題を見つける確率が高まります。課題を見つける精度が高まるのです。
さらに周回を重ねると、ビジネス自体の規模も大きくなってきます。
このようにして、ビジネスの精度を高め、多くのクライアントを呼び込めるようになるのです。ビジネスは直線ではなく、らせん状になっているとイメージして行動していきましょう。